夏休み、生徒が自主的に勉強するたった2つの「仕掛け」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

先生私立

雨谷 稔彦先生
敬愛学園高等学校 進路指導部部長 

手帳に取り組んだきっかけは「受験に間に合わない生徒」を間に合わせるためには
どうしたらいいだろうと考え、スケジュール管理が必要だと考えたことでした。

高校3年生の夏にもなって、だらしなくて何もできず、計画性が無い。
それにも関わらず、泣き出して「時間がありません」と言い出すような生徒のために
スケジュールシートを作りました。その取り組みが手帳へと進化することになりました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

手帳に取り組むことで「これだけやったんだから大丈夫」と思って受験会場に行かせることを
目指して指導しています。
当校の偏差値は決して高い方ではありません。
ですから、いきなり詰め込んで勉強して逃げ出してしまう生徒は作りたくないですね。
こつこつと出来る生徒になってもらえるように、指導をしています。

手帳を導入した当初は、長期・中期の計画を立てさせて、とにかく毎日勉強の内容を記録させて

いわば強制的に提出させていました。
それでも、取り組んだ生徒たちの中には、、一流企業に就職する生徒も多くなってきました。
たとえばリクルート本社や、ANA、JAL、オリエンタルランドなど…です。

この結果からも、手帳を用いた振り返りの効果は受験に向けたスケジュール管理
ということに留まらない効果があるのだと実感しました。

 

手帳を継続させるためのコツとして、
初めから書くことに一生懸命になりすぎて途中で途切れるよりも、
ちょうどいい程度で書いて良いペースで進められればと思っています。
最終的に3年生になるまでに手帳を使いこなせればいいと思っていますし、
担任の先生方にもそのように伝えています。
3年の冬までには、記憶力を高め、振り返りをする力をつけ、
「何がダメなのかを考える」ことに慣れている状態を目指しています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そのために、特進コースの全学年で手帳を活用して「昨日やったこと」を思い出す訓練をしています。
たとえば生徒達には、「昨日した勉強の内容を今日思い出す」ということをさせています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

初期段階、つまり4月は、毎日全員分担任の先生に集めてもらい、見ています。
5月からは「手帳を書くために朝来れば遅刻しない」と生徒に伝え、朝の時間で書かせました。
6月からは、は目標設定も行いました。
3カ月たつと大体の生徒は書けるようになってくると実感しています。
数ヶ月経つと、生徒達は自分で工夫しないと我慢できなくなってきます。
そうして、振り返りの力をつけることで、計画性も身に着けていくようになります。

そして、手帳を続けていくためには、夏休みが最も大切な時期だと考えています。
夏休み直前には、3か月の「振り返りページ」を使って、6月までにできたこと、
できなかったことを振り返りさせました。
また、今後夏休みに向けて500時間の勉強を目標にしていますが、
そのためには1日何時間の勉強が必要なのか考えさせています

例えば2日さぼると1日あたりの勉強をどれだけ増やすことが必要かを考えさせ、
自律的な学習に取り組めるようにしたいと思っております。
そのように自律的に夏休みを過ごすことで、生徒には「時間割の大切さ」
「決められたものにのっていく生活がどれほど楽か」を分かってほしいと思います。
そして、それが出来たら自分を褒めてあげなさいとも伝えています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

このような訓練で力をつけていくと、3年生になると長期目標に対して今の進捗を
3か月に1度チェックさせることで1か月の勉強を調整できるようになっていきます。

ただ実際に生徒が手帳による「振り返り」に取り組んでいくと、慣れるまでは
昨日のことを思い出すことやそれを続けることも難しいことです。
一人の生徒を見ても、書けるときもあれば書けないときもあります。

私はそのようなときには、
「先生も頑張って見るから、君も書きましょう」という浪花節を使ったり、
「人間は弱いからできないときもある。でも必ず反省してチャレンジしていこう」
「より一生懸命」ではなく「より賢く」やっていこう、と伝えています。

また、担任の先生には負担を掛けたくないと思っています。
特進コース1年生から3年生の分すべてを、1週間に一度私が見ていますが、
ひとりで見る対応を実現するために、私自身は生徒の手帳にはほとんどコメントを書き込まず、
ハンコを活用しています。色々なハンコを用意して、ハンコにランクをつけて、
押し分けたり、返すときにひとこと付け加えることでチェックとしています。