教師がどこをフォローしてあげればいいかを明確にするツールです。

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先生私立

鉢呂 智子 先生
仙台白百合学園中学・高等学校 進路指導部長 

Q,どのようなお考えで生徒の指導にあたられているか教えて下さい。

本校は、120年の伝統を持つ幼小中高一貫のミッションスクールです。一日の生活も、祈りに始まり祈りに終わるという宗教哲学が根本にあり、今日の混迷した時代において、ゆらぐことのない正しい価値判断を教育の中で育成できるというのは、大変大切なことであると感じています。生徒達は、その判断基準を育成しつつ、自己の個性や能力、進むべき方向性、新しいものに触れた時にどう変われるか、ということを前向きに模索します。
本校の教育活動の中で私たちが目指すところは、生徒達に、自分たちが白百合学園に入学したことで、①出来ないこと、考えられなかったことが、出来るようになる考えられるようになってもらうこと、②自らの能力を余すことなく発揮し、率先して行動できる女性になってもらうこと、③弱い立場の人々を常に気遣い、柔軟な心で対応できるようになってもらうこと、という3つです。生徒達には、このような力をしっかりつけてもらい、将来に向けてしなやかに羽ばたいていって欲しいと思っております。
生徒たちには幼い時から、毎日を振り返り、自分の行動を記録し蓄積することを指導しています。自分のことを振り返っていくと、何でも簡単に人のせいにするということはできなくなってきますよね。自分のことを自分で律していく、これも大切にしている教育の一つです。
そして11年前、生徒達から「様々なことにチャレンジしながら将来を考えたい」「大好きな英語を徹底的に学びたい」「もっと勉強し、自分を成長させたい」という声が多数寄せられて、総合進学コース、一年留学コース、特進コースの三つを作ることになりました。特に特進コースでは、成績向上に向けた様々な取り組みをしています。

 Q,特進コースでは、当初からプリントを用いた「振り返り」のお取り組みをされているとお伺いしておりますが、お取組みの内容をお聞かせいただけますか。

特進コースでは、先ほどの3つの力の他に、「Plan-Do-See」をしっかり実践することを基本方針と定めました。
ですから、初年度は、学習プランシートと称して、B5の用紙を半分に切ったくらいの紙に日付と、その日に起きた有名な出来事などを印刷し、生徒には生活の様子(時間軸)、学習時間、一日を過ごしての感想を書いてもらい、毎朝集めて、コメントをつけて夕方に返していました。まずは『学力の成果は学習時間に比例する』ということで、学習時間について丁寧に記録を取りました。
このような取り組みをクラス全員で実施すると、生徒達は、自主的かつ継続的に記録するようになりますし、「振り返り」の重要性を理解します。でもやはり人間ですから、いつでも頑張り続けられる、良い時が続く、というわけにはいかないですよね。記録をつけないでいると、いい時になぜよかったのかということや、悪い時に何が悪かったのかということが分析できず、「なんとなく調子が良かったな」とか「なんとなく気分が乗らなかったのかな」という曖昧な認識になってしまいます。しかし、記録を残すことによって、うまくいっている時はこれくらい勉強したとか、こういうことを考えて取り組んでいたとか、冷静に判断できますよね。着実に成績をのばしてくる生徒の共通項はこの「振り返りがきちんとできる」ということです。
そして、「振り返り」を全員で行うことで、まずは教師が生徒の様子を把握し、良い時も良きない時も声掛けをしてあげることができますし、生徒同士では、うまくいく方法を共有することが出来ます。また、形に残すことで後輩たちに特進コースの勉強の様子を伝えることが出来るツールにもなっています。

Q,フォーサイトご導入の経緯を教えてください。

学習プランシートも大変良かったのですが、学校独自で作ったものだと、苦労して作るものですから、「来年もこれで」といった踏襲型になることが多く、『生徒は毎年変わるのに、このプリントはこのままでいいのだろうか』と、疑問を感じていました。新しい視点を取り入れるため、情報を探していたところ、「フォーサイト」の案内が目に留まりました。サンプルを拝見したところ、当校で行っている「学習プランシート」「週間ページ」の内容が大変似ていると思いました。また、コンセプトもPlan-Do-Seeということで、ぴったりでしたね。
更に実は、学習プランシートの取り組み以外にも、生徒には普段から「学習以外のスケジュール管理が大切ですよ」と指導していたんです。それで、自分で手帳を買って使っている生徒もいました。フォーサイトは、月間ページがまさにそのスケジュール管理といったところに対応していましたし、後ろの方の集計ページや定期考査の結果もまた別のプリントで管理していたので全部で3つのツールが一つにまとまっている、という感じでした。手作りのプリントももちろんファイルしていましたが、もろくなってしまうこともありますので、手帳の形式にすれば、一つにまとまっていつでも見られるし、保存もできるということで、大変気に入りました。手帳形式にすることで、将来社会人になった時に手帳を使ってPlan-Do-Seeをきちんと回せるように、社会へ出る手前の一歩としても役に立つのではないかと思いました。
そこで、新3年の特進クラス担任と話をして、生徒に紹介するような形で、希望者購入を呼び掛けることにしたんです。教室に案内と名簿を貼り、サンプルを1冊置いて、希望の生徒は丸を付けてもらうようにしたんです。しばらくして回収したら、全員分丸がついていましたね。紺と白の希望まできっちりついていました(笑

Q,実際どのように活用いただいていますか。

特進クラスの新高3生の27名に3月から配布しました。2月末に学年末テストが終了しますので、それから4月に学年が変わるまでの1か月を「3年0学期」としています。いつまでも2年生という意識ではなく、早く受験生だと思うようになって欲しいと思います。
始めるときには、特にガイダンスはしていません。項目を見れば何を書けばいいのか理解できているようでした。どこをいつ書きましょうということも特に伝えていませんね。自由に書いてもらうように始めました。生徒はどの項目も活用していると思います。
教員は、毎朝回収して夕方までにコメントをつけて返しています。特によく見ているところは、「目標やテーマ」のところ、「学習時間」と、「振り返り」の部分です。特進コースとして、「目標やテーマ」は大切ですし、設定に悩んでいるようならアドバイスができます。
学習時間については、成績は学習時間に比例するという考え方がありますので、つぶさに確認しています。また、「今週は学習時間を正確に書いてきてね」という週を作り、クラス単位での合計学習時間を算出したり、そのデータを保護者会で使うことにより「みんなはこれくらい勉強しているんだ」という感覚を持ってもらっています。
「振り返り」の部分については、一番重要視しています。人間ですから、いつでも頑張れる、いつでも調子がいいとは、限らないですよね。実際、私たち大人だってそうですから。
ただ、そういう、「うまくいかない」「困っている」「悩んでいる」そんな時にも提出してもらうことによって、生徒がどんな気持ちでいるのかを把握し、早目に声掛けをすることを大切にしています。頑張ったり、悩んだりするのは生徒たち本人ですから、私達はあくまでもサポートに徹します。ですから、毎日コメントはつけますが、コメントの量などは、生徒の様子に合わせています。「頑張ったね」のときもあれば「えっ!」だけで終わったり、こんこんとたくさん書いたりするときもあります。生徒とは、コメントの量が問題にはならない人間関係を構築していますので、お互いに腹を割ってそれぞれの思いを記入しています。
この手帳は、生徒が自立することを促すツールであり、それをサポートする私たちが「どこをサポートすればいいか」を明確にするツールだと感じています。