アクティブ・ラーナー育成への挑戦

三浦学苑高等学校 特進コース一期生の軌跡~自律型人間として育つために~

「この学校で特進なんか」と言われたところから始まった

■「自律型人間を育てる」

特進コースを創設することになったときは「こんなところに特進コースを作って誰がくるんだ」という意見すら出るなどスタートは厳しい状況でした。

そんな中で特進コースの創設責任者として白羽の矢が立ったのが、当時学習進路指導部長だった野櫻慎二先生でした。

「何のために大学に行ったかわからない」とはもう言われたくない

野櫻先生は塾や中学校への取材など様々な調査を経て、「自律型人間を育てる」という特進コースのコンセプトを決定します。そこには、野櫻先生のある思いが詰まっていました。

「この学校で特進なんか」と言われたところから始まった

三浦学苑高等学校 教務部長 野櫻 慎二先生
三浦学苑高等学校 教務部長 野櫻 慎二先生

■「自律」というコンセプト

野櫻先生はこう語ります。
「昔、勉強が得意じゃなかった生徒がものすごく頑張って明治大学とか合格したんです。
でも、それで疲れちゃうというか、『今後は何やればいいの?』と言われちゃって…大学を入っても、何のために入ったのかわからない。目的が見いだせないというのが理由でした。

私たちが全部お膳だてしすぎてたんです。手取り足取り、教えすぎてたんですね。それで生徒が大学に入って燃え尽きてしまうというか、自分で決められない生徒を作り出してしまっていたんだなと。そういう思いもあってこの「自律」というコンセプトにつながったんです。」

■ 野櫻先生が見出した、成績が上がる生徒の2つのポイント

「自律力」というコンセプトを実現するために野櫻先生は2つのポイントに着目しました。

それが「時間管理と優先順位」です。

長年の教師の経験から、生徒の成績が上がるかどうかは結局生徒が自律できているかどうか、だという確信をお持ちでした。

「時間がない」じゃないでしょ。

現代社会の授業風景
現代社会の授業風景

言うまでもなく受験に成功するためには、限られた時間をどう使うかが重要です。しかし、当然ながら生徒たちは最初から時間管理ができるわけではありません。

「生徒たちはすぐに、『時間がない』と言い出すんです。でも時間なんてやりくりして作るものだと思うので、生徒たちには限られた時間を本当に大事なことに使えるようになってほしいと思いました。」

「最初はプリントに計画を書かせていたんですが、生徒が『書けばいいんでしょ』と作業的になってしまってうまく行かなったんです。

そこで一番身につけさせたい「時間管理と優先順位」が身につけられて、それでいて高校生に適した手帳を探したんです。

■先生のチェックがなくても続けられる?

特進コース第1期生の卒業生の皆さん
特進コース第1期生の卒業生の皆さん

■優先順位と時間管理

高校にはちょっと難しいという声もあるビジネス手帳ですが野櫻先生は見事に生徒に活用させます。意外ですが「先生がコメントをして書かせる」という指導
はあまり行わなかったそうです。

逆に野櫻先生が行ったのは
・「まず書かせる」機会を与える
・生徒の自尊心をくすぐる

ということでした。

朝と帰りのHRで必ず連絡事項を書かせるなど、とにかく開く習慣をつけさせます。また、生徒の良い記入例を張り出して「この書き方のどこがいいと思う?」という問を生徒に投げかけたりしたそうです。「自分の記入例を張り出してほしくて頑張った」という生徒もいます。

「大学生になってから、あれが必要だったとわかりました。」

最初は「めんどくさいな~、やりたくないな~(笑)」「そんなこと書く暇があったら勉強したほうがいいじゃん」と思っていたという特進コースの卒業生たち。でも、大学生となった今では自分で進んで手帳を活用しています。

「最初は忘れ物予防のメモとして使っていました。でも、野櫻先生が繰り返し「時間管理と優先順位」と言っていたので3年生になってくると、センターで英語を8割とるという大きな目標のために何をしたらいいのかをフォーサイト手帳を使って考えるようになりました。」「大学にいくと色んなことをやらなきゃならないじゃないですか。この日までに履修登録しろとか。放っておくと忘れてしまうので手帳にメモして、この日までに何をすればいいかなと考えています。」

むしろ卒業後の方が「時間管理と優先順位」が必要だと理解したという卒業生たち。大学でも主体的に学習し、野櫻先生が描いた以上の「自律型人間」として活躍をしています。