本当は自信の拠り所は自分の中にあると思うんです。

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先生私立

本間 純一 先生
海城中学校・高等学校 中3学年担任教諭 

Q、指導の際に気を付けていることを教えてください。

学習指導においても、生活指導においても、与えすぎず、教えすぎず、バランスをとっていくのが大切だと感じています。
うちの生徒は「素直で気のいい兄ちゃん」という感じで、言われたことに対してきちんと向き合う、話せばわかる、というのが信頼ベースであることがストロングポイントなのかなと感じています。勉強にしても何にしても、最初に「こういうやり方があるよ」というふうに取っ掛かりを作ってあげて、それを使いこなした後で、オリジナリティを出してくる。ですから、こういうもの(フォーサイト)に親和性の高い生徒を預かりしている学校だと思っています。
一方で、うちの場合、「自由」を掲げる学校さんのように最初から「何をやるもの自由」とか、「自分で色々なことをつかみ取りなさい」と言われることは不得手な生徒が多いと感じてもいます。
だからと言って、最初から最後までがんじがらめにして道を示してあげる、という必要もないので、 学習指導においても、生徒指導においても、教えすぎず、与えすぎず、ある種、「中庸」をねらっていくことがる大切だと感じています。

Q、手帳を導入した経緯を教えてください。

今、私の担任の中学3年生(現高1)のクラスで導入して、様子を見ているところです。
この手帳で行うような、プランニング、スケジューリングについては、だいたい2パターンの生徒に分かれていると思っています。「小学生の時からそういうことをやっていなかった」から、何も考えていないのが1パターン。もう1パターンは、中学受験を通して、塾で与えられた勉強を、プランについては何も考えず思考停止してどんどんこなしてきた、鋳型にはまっている、この2パターンだと感じています。ですから、テスト前などに限った場当たり的な勉強になってしまうのではないかと感じています。
しかし、先ほど申し上げた気質というものがありますから、教えすぎるとか、与えすぎるということのバランスを考えなくてはいけないですね、やり方がわからない、だからやらない、ということがあるので。中学生を受け持つのは3回目になりますが、「中3にもなって」とか、「中3なのにこんなことを言わなきゃいけないのか」という言葉が学年の中で飛び交っているところだったんです。
そこで、自分のクラスでは、スケジューリングの大切さを常々話をしてきました。
1週間の時間の枠組み表を簡単に作り、教科ごとに縦軸をふり、時間割を再度配布した上で、例えば英語は予習、国語は復習重視、というところから考えていけば、自ずと家庭学習の内容が決まってくるでしょう、と話をしていたのです。
自転車の補助輪外しのように、ずっと寄り添い続けるわけではないという前提ですが、まず生徒が一人で「乗れる」ようになるまでは寄り添ってあげなければ、と思っています。
だから、普段の教科指導でも、「勉強の仕方」や「なぜこの教材をこのタイミングで配ったか」などということを教科の先生はしっかり伝えています。フォーサイトは時間割も入っているし、私たちがこれまでやってきたこととの親和性を感じました。生徒には、「まずは自分で工夫してごらん」と話し、朝の時間や、道徳の時間を使って、フォーサイトのようなものを書かせる、考えさせるということをしてきました。

Q、「振り返り」についてはどのようにお考えですか。

本校ではコミュニケーション教育を大切にしていて、アメリカで開発されたコミュニケーション学習のP.A(プロジェクトアドベンチャー)を中1から定期的に取り組んでいます。
お互いが工夫し、グループで協力しないと解決しないミッションに取り組む中で、お互いの良さを認識し、言葉で確認して、承認ベースの関係づくりを体感するというプログラムで、必ず振り返りが入っています。だから、本校の生徒にとってはフォーサイトの「振り返り」は受け入れやすいものだったんでしょうね。私は自分なりに「振り返り」を「よいところさがし」と呼んでいます。
他者の良さを見つけることも大切なんですが、自分のストロングポイントを見つけるというのは大切で、そしてこれが思っている以上に難しいんだよ、と伝えているところだったので、フォーサイトの1週間ごとの「ほめ!ポイント」が、自分の琴線に触れましたし、とてもいいものだと思いました。

Q、先生からご覧になって「振り返り」はなぜ大切だと思われますか。

私が生徒を見ていてよく思うのは、生徒は、自信の拠り所は外にあると思っているみたいだということです。しかし、本当は自信の拠り所はすでに自分の中にあると思うんです。よくカードに例えて話すんですが、その切り札の価値を自分が一番分かってないのではないでしょうか。だから他者から見て、「すごくいいカードを持っているね!それ使えば勝てるのに!」という言葉を掛け合うことがが「承認しあう」ってことだと思うんですよね。それが「みんな」でなにかをすることの意味だと思います。他者の良い所を見出してあげたり、その見返りで自分の良い所を承認してもらえる。クラスが、学年が、そして学校全体が、そういった「安心・安全ベース」の場になることを私たちは望んでいるのです。
普段から自分のことを見つめておくと、他者からカードの指摘があったときに、腑に落ちる瞬間が作れるんじゃないかな、そんなことをこの学校に来て色々な教育実践をしていく中で感じてきました。フォーサイトは「自分のことを見つめる」ための一つの方策として可能性を感じています。

Q、実際取り組んでいただいて、いかがですか。

今、中3の私の担任クラスで取り組んでいますが、導入の時期は「もっと早い方がいい」と思っています。
中高一貫ですと、塾との二人三脚を終えて入学してきた生徒達には、入学してきて、自分の時間の使い方ですとか、優先順位を考えるですとか、そういうことが初めて押し寄せてくるのだと思います。ですから、何をやればいいのかわからない、やり方もわからない、だからやらない、という生徒がいるんですよね。
フォーサイトは、そういう生徒の、ペースメーカーになるのではないかと思っています。
実際中3生に手帳を渡してから1か月半経ったのですが、少なく見積もって4分の1くらいの生徒がルーティンにしているようです。
登校後、朝のHR前に利用しているようです。
使い方の指導はしていませんが、長谷部選手とか石川遼選手とか、アスリートは日記やノートとかつけていて、そういうのが見直されているんだという取っ掛かりを示しました。
今は記録として使っている生徒が多いですね。
今後は、もっと働きかけをしていけば、より活用できる生徒が増えていくと考えています。