他人との比較ではなく、自分の行動に裏付けられた自信を持たせてあげたい。

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先生公立

樫田 豪利 先生
金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校 理科教諭(化学) 

 Q, 学校の特色を教えていただけますか。

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もともと、戦時中にトップエンジニアを育てるために設立された「特別科学学級」に端を発するので、
生徒や保護者からも理系の学校というイメージを強く持たれているようです。
生徒の3分の2以上が理系に進み、1学年120名のうち約30名が医学部へ進学します。(浪人生含む)
また、教育学部の附属ですから、実習生も年間40名~50名を受け入れています。「自主自律」をスローガンに、自分の意見をきちんと言える生徒が多いですよ。

Q,「自主自律」の校風の中で、先生はどんな指導をなさっていますか。

STA(科学部)では、1年~2年がかりで自分の興味のあるテーマを研究していきます。校風の通り、「自主自律」で研究を進めていきますが、一方で教員からもたくさん働きかけをするようにしています。「自主自律」とはいえ、どのような生徒でも、停滞したり、行き詰ったりするときがありますので、そんなときにはすぐに問いかけをして、きっかけを作ります。ですから正直、発破をかけるということもありますよ(笑)
研究でのきっかけづくりは、もちろんですが、躾にも気を付けています。
例えば、部活に来る曜日は自分で決めさせて、しっかり守らせるようにしています。来られないなら理由を添えてきちんと連絡するように指導をします。
関わりの中で、意図的に難しい要求をしてみることもあります。生徒に自分の口から「無理です。」と言う経験をさせるためです。いつまでならできるかを自分で考えることで、はじめて締め切りがきちんと設定できます。

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大人が考えた枠の中で、言われたことをきっちりやるというのも良いのですが、私はそれよりも、「自主自律」を実現していく過程で大人の仕事と同じように、自分との約束を守れるようになることがより重要だと考えています。また、自分の行動が周りに影響を与え、周囲との関係性の中で自分が存在しているということを学ばせるようにしています。

 

Q,東京大学や医学部を目指す生徒のみなさんにとって、「フォーサイト」手帳はどのような点で役に立ちそうですか?

1点目は、生徒に自信がつくということです。
厳しい高校入試を突破して入学してきた生徒は、高校に入って同じレベルを突破してきた生徒達と一緒に学習を進めていきます。そうすると、どうしても校内で中位~下位の生徒が出てくるわけです。中学校の頃と比べて、心理的に自信を失っている生徒を今までよく見てきた中で、そういう中位~下位の生徒に自信をつけさせるにはどうしたらよいだろうかとずっと考えてきました。
基本的に地頭の良い生徒達ですから、学習をせずに成績が上がらない生徒はこれから勉強すればよいでしょう。しかし、全体のレベルが高いゆえに、頑張っているのに、なかなか成績が上がってこない生徒には、「自分はこんなに継続してやったのだ」と具体的な行動を振り返りさせることにより自信をつけさせてあげたいとずっと思っていました。
「フォーサイト」手帳を使って、振り返りをすることによって、「自分はこれからもやっていける」という気持ちの裏付けというか、生活していくうえでの自信をつけさせてやれるのではないかと期待しています。

 

 2点目に、受験勉強の科目間の偏りを減らせる点です。
本校の生徒には、好きな科目は、のめり込んで勉強し、嫌いな科目を避けてしまう様子がよく見られます。のめり込むのも本当は良いことですが、受験戦略を考えると、科目間のバランスが大切ですよね。
夏休み以降になると受験勉強も本格化し、どの科目も必死にやるので関係なくなりますが、大切なのは、夏休みになる前、余裕があるときにバランスよく勉強しておくことです。
秋になったら、個人ごとに「苦手科目克服に集中」、「得意科目に集中して勝負をかける」など、戦略的に学習できるとよいですね。
今、3年生は科目ごとの学習時間を記録しています。学習時間を「見える化」することによって、科目間の偏りに気づき、バランスよく勉強するようになると思います。3年生には、傍らに「フォーサイト」手帳を置いて勉強しなさいと指導しています。

 

3点目に、基本的なことですが、書くことに慣れることができる点です。
携帯、パソコンやタブレットが普及しており、今の生徒は書く機会が不足しています。書くことによって振り返りができますし、大切な記録として残せます。
実際には、「フォーサイト」手帳の「今日のやること」欄に予定を書いて、時間軸の部分には実際に行ったことの記録を書いていくのが良いと思います。
そうすれば、自分の記録を書きながら、自分の想いを確認できますね。
例えば、6時から~7時まで勉強、と手で書きながら、何も考えていない生徒はいないですよね。書くことによって「少なかったな」とか「頑張ったな」とか、必ず振り返りをするのではないでしょうか。
また、そういう想いのこもった手帳を、大切な高校生活の財産として残してあげたいと考えています。

 

Q、先生の関わり方について、どのようにお考えでしょうか。

今までは、生徒に自由に取り組ませていたので、これから週に1度くらい「フォーサイト」手帳をチェックし、気になることがあればコメントを書くつもりです。
日記は文章にするのでハードルが高いと感じる生徒が多いようですが、「フォーサイト」手帳であれば、非言語的でも記録をつけて「振り返る」ことができますから続けられるのではないでしょうか。期待しながら続けていきたいと思います。

(以上)