つくば市立春日学園義務教育学校

生徒の見通し力向上へ

学校プロフィール つくば市立春日学園義務教育学校

学校と先生自身の背景について

■9年間のカリキュラム
春日学園は施設一体型の小中一貫校であり、発達段階に応じた指導により確かな学力の育成を目指しています
そのため従来の6(小学校)・3(中学校)制を基盤としながらも、
4・3・2制という心身の発達に合った区切りで教育課程を見直し「協働して課題解決に向かう場の設定と工夫」を重点に、
教育活動に取り組んでいる学校です。

 

■フォーサイトとの出会い

フォーサイトとの出会いは単純でした。
学校でフォーサイトの案内が回覧されてきたんです。
そのころから自分の中では子どもたちに「自分で見て、自分で考えられるようになってほしい」という思いがありました。
その背景には、お世話になった学年主任の先生から教えていただいた「3つのチャ」という言葉があります。


「チャンスをつかむ」
「チャレンジする」
「チェンジする」

 

変わるチャンスをつかみ、挑戦することで、自分自身を成長させていくという考え方です。

この言葉は、学年主任を務める際のテーマとして、今でも大切にしています。
その後6年生の担任をすることが決まり「こういうものを見つけたんだけど、使ってみませんか」と学年の先生方に声をかけて、
6年生全体で活用する流れになりました。

 

■「小学校で変えるのは勇気がいる」それでも導入を決めた理由

とはいえ、導入に迷いがなかったわけではありません。
小学校では連絡帳を使うことが当たり前ですし、
それまでと違う取り組みを始めることには不安もありました。
ただ、「6年生だったら、多少今までと違うことをやっても、中学校につながるだろう」という思いもありました。
中学校では連絡帳を使わなくなるため、小学校のうちに自分で計画を立て、
見通しを持って行動する力を身につけてほしいと考えていました。

 

また、導入前に準備を進められる環境が整っていたことも、後押しになりました。
フォーサイトの担当の方に電話で相談ができたり、動画で使い方を学べたり、春休みに研修を受けられたりと、
サポートが充実していたので、「それなら使ってみよう」という気持ちになりました。
さらに、管理職の理解があったことも大きかったです。
校長先生が以前、別の義務教育学校で学校手帳を導入した経験があったこともあり、
「やりたいことはどんどんやってみなさい」と背中を押していただきました。
その一言は、挑戦への大きな支えになりました。

 

初導入で効果を感じた6年生への導入と工夫

■先を見て考えることが好きになった
まず6年生で1年間やってみて感じたのは「やってもできなさそうだからやらない」のではなくて、
「やったことで刺さる子にはちゃんと刺さる」ということでした。
その代表例がフォーサイトコンテストで入賞をした「いちごミルクさん」です。

 

この子は、先を見て考えることがすごく好きになり
「テストがあるよ」と言われれば机からフォーサイトを取り出してメモを取るようになりました。
また、委員会活動の計画や準備のためにフォーサイトと鉛筆をもって質問に来たり、
学校行事の見通しを立てて行動したりすること等にも活用できるようになっていきました。

この子以外にも、自分でスケジュールを立てたり、振り返ったりするなど、
成長が見える生徒は確実にいました。全体の半分もいなかったかもしれませんが、
そういう子たちがいて、本当にやってよかったと思っています。

 

■情報を取りにいく力
私自身も動画を見せたり、自分なりに今の子どもたちに合う方法を考えて工夫したりしてきました
例えば振り返りを書いて、それを先生との会話につなげるといった工夫を重ねました。

また最初の頃は「テストの予告をするからフォーサイト出してね」と声をかけていましたが、
「テストの予告をするよ」と言っただけで、子どもたちが自分からフォーサイトを出してメモを取るようになっていました。
受けた情報を、自分で処理して、自分で蓄えることができていて、フォーサイトになってから、
必要だと思った情報を自分で書くという行動につながっています。

 

■定着をしてもらうための工夫
さらに毎日振り返りを書く時間を作りました
「今日頑張ったこと」「今日楽しかったこと」など6つぐらいテーマを作り、
その中から2つ選んで書く形にし、振り返りを書きやすくする工夫をしました。
また、ただ書くだけではなく、それをグループでシェアをし、
その内容をグループで担任の先生に話に来てもらうようにしました。

 

教科担任をしていたこともあり、以前は子どもたちが一日の中で、どんなことをしていたかわかりませんでした。
なので、フォーサイト手帳での振り返りを通して、「今日はこんなことがあったんだね」「その時どう思ったの?」
という話ができるようにもなりました。

以上のように初年度のジュニア版の導入でも、ただ導入をするのではなく先生なりの工夫を試行錯誤しながら重ね、
一定数効果を感じる児童がいてくれたことを久貝先生は喜ばしく思っている様子が印象的でした。

■個人差についての考え
工夫もたくさんしましたが、必ずしもうまくいくものではないと思いました。
それってドリルでも自主学習でもそうだと思います。
うまくいく子といかない子がいるのは現実ですが、その中でもこれだけ変わる子がいるんだということを実感したのも事実です。
そのため、こういう力を付けさせてみたいという狙いが1つでもあるなら、フォーサイトを使ってみてもいいのではないかと思います。

 

次年度も4年生へ導入した決め手と指導上の工夫

■7年生の姿が4年生導入への決め手だった

6年生でフォーサイトを使い7年生に上がった生徒たちの姿を見て、今年もう一度4年生で使ってみようと思えたんです。
(4年生では低学年からも使えるフォーサイトれんらくちょうを導入いただいております。)
今の7年生の主任の先生は定期的に1~2週間分先の予定を提示してくださる先生で、
去年フォーサイトを使っていた子たちは、それを見て自分で予定を立てたり、宿題を逆算して進めたりしているそうです。
そういう話を聞くと「やっぱり土台はできていたんだな」と思います。

 

■前回の指導経験をもとに、次は「1週間分の予定を見せる」指導へ

現在は1週間分の予定を、金曜の朝に10~15分程時間を取り書かせています
教室に入った時点で電子黒板で表示をしておき、朝の時間は連絡事項を出しっぱなしにしておくという工夫をしています。
また黄色は時間割変更、赤は追加連絡というように色分けもしています。

例えば、「来週漢字のミニテストが1日・2日にあります」と最初からわかるので、
「月・火・水の自主勉強は漢字を頑張ろう」と、自分で考えて行動する子どもが増えました

この1週間分先に見せるということは実は自分にもなかった発想で、去年の反省からですね。
6年生の時に最初から1週間分見せていたら、もっとテスト勉強や準備ができたんじゃないかと…
そう思い4年生は初めから1週間分予定を見せるようになりました。

 

■先を見て自ら学習する4年生

導入後一番変わった点は、テストに向けた学習かなと思っています
漢字でも計算でも、先を見て自主学習や勉強ができるようになったと感じます。

準備に関してはまだ4年生なので親の力を借りているかもしれないので、
一概に手帳だけの効果かどうかはわかりません。
しかし4年生という親の手からだんだん離れていく時期に、
親都合で離れていくのではなくて「僕は自分でできるようになったよ」という
自分の行動を見せられるようになっていくといいなと思いますし、そういう働きかけをしています。

 

■チェック欄が達成感の源

自分で持ち物入れたらチェックを付ける、宿題をやったらチェックを付ける、
連絡を確認したらチェックを付ける、全部チェックがついたらおうちの人にハンコをもらうんだよという指導をしています。
そうするとおうちの人に「宿題やったの?あれやったの?」とならず、
「自分で全部もう終わったよ」と言えるようになると思い、指導をしている。
チェックがつくと達成感になると子どもたちから聞きましたね。

 

■先生たちにも変化が

教師目線でいうと、毎朝の連絡帳を書く時間が短くなりました
その分、別の業務に集中できるようになったと思います。
また子どもたちに1週間先まで見せるということは、教師側も1週間先を見て準備をしないといけないんです。
だから自分たちにとってもすごく刺激になっています。

 

大事なのは目的意識と教師の思い

■指導の工夫で肝心なのは目的意識

手帳を通して「子どもたちにどんな力を付けたいのか」がはっきりしていると指導に活かすことができます
私は「1週間の見通しを立てる、振り返る、次の目標を立てる」この流れを身に着けてほしかったので、
まずは1週間の目標と振り返りを必ず書くことから始めさせればよかったと思います。

一方で生活習慣をつけたいと考える先生なら、起床・就寝時間を書かせることを重視するだろうし、
テストへの逆算力を付けさせたいのであれば、年間予定やテスト日を書くことを重点に置けばいいと思います。

■教師の思いを実現しやすい
フォーサイトの手帳はある程度書く内容や型が決まっています。
しかしこの手帳はシンプルだからこそ、教師が子どもに身に着けさせたいことを自由に反映できます。
だから『こうなってほしい』というさまざまな思いをもっている先生方は使ってみると面白いのではないかと思います。